広汎性発達障害である自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群は、判断しにくい。そこで有効なのが「自閉症スペクトラム」。このページでは自閉症スペクトラムをわかりやすく解説しています。

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スペクトラムという言葉は、1つの現象の中に幾つかの要素が含まれるという意味です。したがって移行、「連続体」と解釈できます。「自閉症スペクトラム」とはローナ・ウイングが1996年に提唱した概念で、カナーの提唱した自閉症に、アスペルガーの提唱したアスペルガー症候群、さらにその周辺にあるどちらの定義も厳密には満たさない一群を加えた比較的広い概念であって、社会性・コミュニケーション・想像力の3領域に障害があることで定義されます。
教育、福祉、雇用、医療などの側面から「あるべき援助のタイプ」を考えるとき、自閉症かアスペルガー症候群か、あるいは高機能自閉症か、「他に分類されない広汎性発達障害」かというサブカテゴリー診断に拘泥するよりも、「自閉症スペクトラム」として捉え「自閉症」に準じた援助を行うのが有用であるからです。「スペクトラム」とは連続体という意味であって、典型的な自閉症からアスペルガー症候群、重度の知的障害をともなう例から知的な遅れがない例まで、連続した一続きのものとみなします。幼児期にはカナータイプの行動特徴を示しても、年齢が長ずるとアスペルガータイプに近くなる子ども多くいるが、これはスペクトラム概念では当然のこととみなされます。
長い間、自閉症の原因については、いろんな説がありましたが、現在では先天性の脳機能障害によるとされており、多くの遺伝的因子が関与した障害であって、保護者の教育や生まれ育った環境が原因で自閉症になるということはあり得ないと考えられています。
フランス国立医学研究機構およびスウェーデン・イエーテボリ大学とフランス・パスツール研究所の研究チームが行った共同研究では、自閉症者の脳内で遺伝子「シャンク3(SHANK3)」に異常があることが指摘されています。ただし、研究チームからはシャンク3で自閉症の全ての症状を説明できるわけではないと警告が発せられており、主要な社会的障害についてある程度説明ができるかもしれないと述べるにとどまっています。
その他、近年の米国の研究によると、父親が中高年のときに授かった子供である場合、新生児が自閉症になりやすいとされています。同研究によると、父親が40歳以上の新生児は、自閉症や関連の症例が30歳未満の父親の場合の約6倍で、30〜39歳の父親と比較すると1.5倍以上であったそうです。また、原因の一部として、胎児内環境が言われています。これは、女性がその子供を妊娠中、何らかの理由でタウリン(魚介類などに多く含まれる)の摂取が出来ず、それによって脳の形成に一部支障が出たのではないか、という事ですが、欧米諸国の貧困層など(魚を経済的な理由から食べる事が出来ない)に自閉症児の発生率が高い訳ではないため、これも確かな原因とはいえないようです。
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